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小椋 久美子

全英オープン2020

2020/03/18

先週行われた、全英オープンで、

遠藤、渡辺ペアが、男子ダブルス史上初の優勝。

素晴らしい偉業を達成しました!!

 

そして、女子のダブルスでも福島、廣田ペアが優勝!!

4年前の高橋、松友ペアが優勝して以来の優勝です。

 

この、歴史と権威のある全英オープンでの優勝は、バドミントン選手にとって本当に凄いことなんです!

その年の真のチャンピオンとして讃えられる世界選手権の喜びとはまた違い、110回と過去の選手が積み上げてきた歴史の重みがあり、歴史に名を刻めた喜びを感じる大会なのです。

 

 

今回、私は全日解説をさせて頂きました!!

 

詳しいプレーに関しては、ここではお話しないですが…

客観的視点で感じたことを色々と書こうかなと。

 

男子ダブルスの決勝、世界ランク1位のインドネシアペアに勝てたこと。

(5連勝と相性はいいですが、他の選手はこの世界ランク1位になかなか勝てないんです。)

そして、準々決勝で対戦した世界ランク2位のインドネシアペアに勝ったこと。

(今はこのインドネシア2ペアが男子は頭一つ抜けてる状態)

今の実力で掴み取ったかなり価値のある優勝です。

 

渡辺選手は故障でかなり実戦から空いていて、ブランクがある中でも天才的な感覚を持っているなぁと。

今までの私の印象としては、渡辺選手は遠藤選手の先輩から技術や試合の中での経験など、色んなものを吸収して着いていこうとしているような控えめに見えていたんですが、

パートナーのカバーや返球への反応などにしっかり対応していて、すごく頼もしく見えました!

遠藤選手が渡辺選手をここまで強くしたんだなぁと思えたり、1人がダメな時にカバー出来ることが2人の強さなんだなと感じたり。

お互いの信頼関係や絆が無ければ力を発揮することも出来ないし、勝つためにはそこが一番大切なんだなぁと感じさせてもらいました。

渡辺選手を伸び伸びプレーさせてあげられているのは、きっと遠藤選手の先輩だと感じさせ過ぎない距離感や、ミスをしても許す心やそれでも挑戦させる空気を作ってあげられるからだと思います!

 

 

女子のダブルスの福島、廣田ペアも2人は本当に良く話しますし、常に『2人でいい試合にしたい』『2人で勝てたから嬉しいです』

2人と言う言葉がよく出ます!

 

また性格が全く違うので、熱い性格の福島選手が気持ちを高めて勢いを作り引っ張る。

でも、ゲーム中に熱くなりすぎて気持ちが焦りそうな時に、廣田選手の冷静沈着な性格で視野を広く見てゲームをコントロールする。

どちらかの性格に偏ったら勝つことは出来ないと思うので、プレー以外にも勝因は色々とあるなと感じますね。

 

 

最後に、オリンピックの選考レースが全英オープン以降、延期、又は中止になりました!

選考期間を変えるのか…そこは話し合いになるそうですが。

今の段階では、リオオリンピックで金メダルを取って高橋、松友ペアの出場はかなり厳しいです。

だからこそ、タカマツペアの全英オープンにかける覚悟のようなものを感じられ、負けたあとの本音で語るインタビューには涙が出ました。

 

リオオリンピック後に、燃え尽き症候群に似たような状況になっていた時期もあり、

それでももう一度と2年前に覚悟を決めてくれたことが私は日本にとって財産だったと思っています。

 

『タカマツペアに追いつきたい。そしていつか勝ちたい。』と常に目標になってくれ、

『自分達はタカマツペアを越えられたかもしれない』と思わしてくれたのは、同じ時代にプレーをしてくれたからです!!

目の前に目標になるペアがいることで、吸収するものが多く、意識やモチベーションも必ず上がります!

みんなの目指す所を世界基準に引き上げてくれたのは、間違いなくタカマツペアです。

 

言葉ではなく環境や空気で強くしてくれることは沢山あります。

 

まだまだレースがどのようになっていくのか分かりませんが、タカマツペアには今まで応援してきた分、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

みんながオリンピックに出場出来たらどれだけいいか…

みんなに立たせてあげたいです!

 

 

今回、沢山の競技が延期や中止になる中、全英オープンを開催して下さったこと。

本当に感謝しています!!

選手に素晴らしい景色を見せて下さり、ありがとうございました。