KUMIKOOGURA

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小椋 久美子

東京2020オリンピック

2021/08/17

 

先週、オリンピックが無事閉幕しました。

17日間の選手の皆さんの戦い、そして涙に、沢山の勇気と希望を頂きました!

 

毎日、自分が感じたものを綴りたかったのですが余裕がなかったのもあって、全てが終わった後にゆっくりと余韻を噛み締めながら、ちゃんと言葉を選んでお話出来たらと思い、なかなか更新が出来ませんでした。

 

 

今回私は、現場からテレビ中継でバドミントンをお伝えさせて頂きました。

 

 

無観客の静寂な中で行われた大会だったので、いつも以上に堅固な精神力を自ら作り出さなければいけないような、独特な緊張感が会場にはありました。

 

無観客、大会の中止、延期で久しぶりの実戦。

全選手が同じ条件で迎えたオリンピックだったので、今回目指していた結果に繋がらなかったことを、どの選手も言い訳をせず受け止めていたように感じました。

 

日本選手の表情や動き、パフォーマンス、チームの雰囲気。

全てが、どの大会でも私が見たことや感じたことのないもので、選手達の緊張、重圧がすごく伝わってくるほどでした。

 

あくまで私個人の意見や客観的に見て思ったことですが、今回の成績を日本と世界の実力差だとは感じませんでした。

精神面での影響がすごくあったように思います。

 

私は、この5年間選手達がどれだけ努力を重ね、世界で勝つために必要なことを分析して練習に向き合ってきたのかを知っています。

試合を想像して、緊張感を作り出し、どれだけ苦しい練習にも耐えて頑張ったとしても、想像を越えるプレッシャーや重圧、不安を受け止める覚悟がなければ力が出し切ることが出来ない。

実力だけでは計れない場所がオリンピックの舞台なんだとも思います。

更に、自国開催で期待に応えたい気持ちがどれだけプレッシャーになっていたのか…

私には想像すら出来ません。

 

楽観視したわけではなく、実力で見た海外選手との位置付けや、これまでの大会での戦いぶり、相性など、全てを総合的に考えても間違いなくメダルが取れるチームでした。

でも、オリンピックがどれだけプレッシャーがかかり、怖いと感じてしまう瞬間がある場所か、経験をして分かっていたにも関わらずメダルへの期待を私もしていた…

それが選手にとっての重圧になっていたとしたら…

そのことを考えると、申し訳なかったという気持ちがすごく強くて、自分にも責任を感じてしまいます。

 

勝負の世界なので勝ち負けはありますし、悔しい思いをすることは日常茶飯事ですが、悔いが残るような戦いだけはして欲しくないというのが、一番の思いでした。

みんな全ての力を出すことが出来たのかな…

 

 

選手はこの苦しかった1年間気持ちの整理がつかなくなるような極限状態の自分とも向き合い、それでも奮い立たせ、厳しい練習にも頑張ってきました。

 

オリンピックに人生を捧げてきた私でも、オリンピックだけが全てと評価されることに悲しさを感じますね。

 

私が現役の頃は、バドミントンは遊びのスポーツとして認知されていて、実績で言っても世界とも対等に戦えないと評価されていた時代でした。

それから想像すると、オリンピックで5種目の全種目でメダルが取れると期待されるほどに強くなった。

そんな日が来ることなんて想像もしていなかったですし、平坦な道のりでは無かったからこそ、監督始めコーチ、スタッフ、選手の皆さんには、これまでの沢山の活躍で夢を見させてもらえたと感謝の気持ちでいっぱいです。

そして、引退した今でも一緒に戦わせて頂けて本当に幸せを感じさせてもらいました。

 

 

そして、今回初めてメダルを取れる競技と期待して頂き、その中で挑むオリンピックを経験したことで、どう大会へ準備しなければいけなかったのか。

それを肌で感じられたことは、私はすごく貴重な経験だと思っています。

 

悔しいことも受け止め次に繋げてきた選手のみんなだからこそ、また強い日本を引っ張っていってくれると信じています。

今は、本当にお疲れ様でした。と言いたいです。

 

 

 

そして、東京オリンピックは初めてNHKのスタジオからお伝えさせて頂きました。

アスリートナビゲーターの北島康介さん始め、他競技のオリンピアンの皆さんと日替わりで、様々な競技の戦いを見届けさせて頂きました。

毎日、選手の皆さんが結果に関わらず本気でぶつかり戦い抜いた姿に、涙を堪えるのに必死でした。

延期になった1年は本当に長かったと思います。

また、感謝の思いと一緒に、このオリンピックで戦える喜びを噛み締めているようにも感じました。

 

喜びの涙、悔し涙。

私は全ての選手の涙がこの5年の努力と想いだと思いました。

競技を突き詰めた選手が人の目も気にせず涙を流す姿に、オリンピックとはどんな場所なんだろうか?いつか立ってみたい、その空気を味わってみたい。そう思った次世代のアスリートがいたと思います。

私が若い頃に感じたように。

 

選手の皆さんの姿は、しっかりと応援して下さった方々の心に刻まれたと思います。

改めて、人が本気で戦い抜く姿は美しく尊いことを感じさせてもらいました。

 

 

 

そして、バドミントン会場で陣内貴美子さん♪

 

期間中に休みがあった時には、陣内さんの家で疲れを癒してもらったり、コンビニご飯ばかりの毎日だったので身体に沁みるご飯を食べさせてもらったり。

もう、本当に感謝しかありません。

陣内さん、いつもありがとうございます!!

 

 

 

バドミントン会場には、少しでも選手の応援になるようにと、子ども達の心暖まる朝顔の贈り物がありました。

 

 

そして、オリンピックを開催するに辺り、

関係者の皆様、支えて下さったボランティアの方々、医療従事者の皆様。

全国から集まって頂いた自衛隊員、警察官、警備会社の皆様のサポートがなければ、この状況下では開催することは難しかったと思います。

いつも、お疲れ様です。と声をかけて下さり、暖かい気持ちになりすごく嬉しかったです。

大変な中でもご尽力して下さり、すべての方の想いが詰まったオリンピックになりました!

 

心より感謝を申し上げます。